【4月25日 AFP】ドーピングにより自転車競技からの永久追放処分を受けたランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏が24日、久しぶりのインタビューに応じ、運動能力向上薬の使用により栄光から一気に転落したにもかかわらず、自分をまだツール・ド・フランス(Tour de France)の王者だと考えていることを明らかにした。

 ツール7連覇のタイトルを剥奪されたアームストロング氏は、米「アウトサイド(Outside)」誌で、自動車競技最高峰の大会で自身が成し遂げた勝利は本物だと言い、ライバルたちも認めるだろうとの見解を示した。

 長年にわたり禁止薬物の使用を否定しながら、2013年1月に米人気テレビ司会者オプラ・ウィンフリー(Oprah Winfrey)さんのトーク番組でドーピングを告白して以来、初めて公の場に姿をみせるとうたわれて登場したアームストロング氏は、「そうだ、私はレースに勝ったと思っている」と語った。

「受け入れがたいと思われる答えになるが、現実としてあれは混乱の時期であったにすぎない」

 アームストロング氏は、自転車競技においてドーピングがまん延していることについて言及し、「つまり軍拡競争をするように、われわれは競技を戦っていた」と述べた。

 アームストロング氏はまた、1999年から2005年までのツール・ド・フランス優勝が認められないことについて、「それは間違いであり、7年間が空白のままであることは、自転車競技界を汚すことになる」と語った。

「私が勝者でなければ、誰かが勝たなければならない」

「もちろん、私は自分が勝者だと言うつもりだが、一緒に戦ったツール・ド・フランスの競技者に『彼が勝ったのか?』と問えば、彼らがどう答えるのか想像できる」

 自転車競技や自身が創設したがん撲滅を目指す慈善団体「リブストロング基金(Livestrong Foundation)」との関係を絶っているアームストロング氏だが、現在でも自転車に乗り、健康を維持するために走っていることを明かした。

 アームストロング氏は、これから何を成し遂げていくかについて、「分からない。そのことについて、じっくり考えてはいない。正直なところ、将来何が待ち受けているか、まるで分からない」と述べた。

 4月初めに行われたこのインタビューはアウトサイド誌のウェブサイトに掲載された。また、この記事とともにアームストロング氏が自転車のタイヤチューブの正しい交換法を示した動画もアップされている。(c)AFP