【4月24日 AFP】英劇作家ウィリアム・シェークスピア(William Shakespeare)の生誕450年を迎えた英国では今週、上空での戯曲上演から世界200か国以上を巡る「ハムレット(Hamlet)」の巡回公演の開始まで、さまざまな記念行事が行われている。

 1564年4月26日に洗礼を受けたシェークスピアの誕生日は、毎年4月23日に祝われるのが慣例となっている。生誕450年となる今年、偉大な劇作家シェークスピアの新たなファンを獲得することや、英国最高の「文化輸出品」であるシェークスピア作品を活用することなどが目標として掲げられた。

 コメディー劇団「リデュースド・シェークスピア・カンパニー(The Reduced Shakespeare Company)」は23日、上空3万7000フィート(1万1300メートル)でシェークスピアの全作品を1時間にまとめたパフォーマンスに挑戦した。この試みは、ロンドン(London)から、しばしばシェークスピア作品の舞台となった伊ベローナ(Verona)へと向かう航空機内で行われた。使われた航空会社は、格安航空会社イージージェット(easyJet)だった。

 一方地上では、ロイヤル・シェークスピア・カンパニー(Royal Shakespeare CompanyRSC)がシェークスピアの故郷ストラトフォード・アポン・エイボン(Stratford-upon-Avon)にあるRSCの劇場で「ヘンリー4世第1部(Henry IV, Part 1)」を上演し、その後、屋根から花火を打ち上げた。

 また、ロンドンのテムズ川(River Thames)沿いに復元されたグローブ座(Shakespeare's Globe)では、2年越しで200か国を巡る「ハムレット」の巡回公演が幕を開けた。

 英語の最も有名な一節である「To be or not to be」を独白する、ハムレット役のナイーム・ハヤト(Naeem Hayat)氏はAFPの取材に「ハムレットは物語としてとても美しく人間的な物語で、発見と人間らしさにあふれている。どんな言語を話していようが、どこにいようが、人々は自分と関連づけることができる」と語る。

 23日のグローブ座の公演で幕を開けたツアーは、戯曲の舞台となったデンマークのエルシノア城(Elsinore Castle)で幕を下ろす。ツアーは、各国の国立劇場や島しょ国ナウルやバハマの砂浜、ギリシャ劇場やローマの円形闘技場、ルーマニアの環状交差点などを巡り、さらにリトアニアの王宮やモロッコのマラケシュ(Marrakesh)の大広場、北極圏内に位置するノルウェーのトロムセ(Tromso)、セントルシアの熱帯雨林に建設された劇場などでも公演を行う。