【4月24日 AFP】映画監督のクエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)氏が、新作映画の脚本流出をめぐり米ゴシップサイトなどを相手取って損害賠償100万ドル(約1億円)を求めていた訴訟で、カリフォルニア(California)州の連邦地裁は23日、同氏の請求を棄却した。

 ジョン・F・ウォルター(John F. Walter)連邦判事は、タランティーノ氏がゴシップサイト「ゴーカー(Gawker)」の運営会社ゴーカー・メディア(Gawker Media)によって脚本の著作権が「直接侵害された」ことを証明できなかったと判断した。

 この訴訟は今年1月、タランティーノ氏が新作『The Hateful Eight(ヘイトフル・エイト)』の脚本の全146ページが流出したため映画の制作を断念したと発表し、流出に協力したとしてゴーカー・メディアを「掠奪的報道」で訴えたもの。タランティーノ氏は、脚本をネット上に投稿した人物に対し著作権侵害で最低100万ドル、著作権侵害をほう助したとしてゴーカーに同額の損害賠償を求めていた。

 これに対し、ゴーカーメディアは訴え却下の申し立てを行い、同社は脚本を見ることが可能なインターネット上のウェブサイトへのリンクを掲載したに過ぎず、脚本はそれ以前からネット上で閲覧可能な状態であったことから「スクープ」した訳ではないと主張。したがって、ゴーカーは「原告の排他的知的財産権を侵害していない」と反論していた。(c)AFP