近年、「予測警備」という考え方が勢いを得ており、警察当局はIBMなどの企業に「ビッグデータ」の分析を依存している。

 ツイートの分析が選挙結果や病気の発生、その他の重要な出来事の予測に役立つことを示す研究も増えており、今回の研究もその流れをくんだものだ。

■「アルゴリズムを送り込む」

 ガーバー氏はツイッターデータの利用について、ツイートが公開情報であり、さらにその多くに位置情報が付いているため、利用が比較的容易だと語る。

 その上、研究者らは得られた情報の調査のために犯罪発生率の高い地域に自ら足を運ぶ必要もないという。その代わりに「そういった場所にアルゴリズムを送り、人々の会話の内容を把握する」と、ガーバー氏は説明する。「コンピューターアルゴリズムがパターンを学習し、予測を生み出すのだ」

 同研究は米陸軍からの資金援助を受けて実施された。ガーバー氏によれば、米陸軍もイラクやアフガニスタンなどでの脅威を特定する際に、同様の技術を利用しているという。

 ただガーバー氏は、限界があることも認めている。適切な過去のデータが必要とされる上、誘拐や放火などのある種の犯罪は、研究者らが説明不可能な理由によって同じ予測パターンに当てはまらないことがあるという。(c)AFP/Rob Lever