【4月23日 AFP】仏教国のスリランカで21日、腕に仏陀(ぶっだ)のタトゥーを入れた英国人観光客が警察に身柄を拘束された。

 拘束されたのは、英イングランド(England)地方コベントリー(Coventry)で看護師をする女性、ナオミ・コールマンさん(37)。隣国インドから空路スリランカへ入国したが空港で拘束された後、国外への退去命令を下され、退去強制処分を受けるまで、収容施設で拘束された。

 スリランカ当局は、コールマンさんが右腕にしていた仏陀のタトゥーを侮辱的だとみなしたようだ。タトゥーの絵柄は、ハスの花の上に座った仏陀だった。

 コールマンさんは22日、スリランカの収容施設からAFPの電話取材に答え「最悪の体験。わたしは仏教の教えを実践し瞑想もしている。だから、このタトゥーをしているのであって、仏教を軽視してるのではない」と語った。コールマンさんは過去に2度、スリランカを訪れており、その際や同じ仏教国のタイやカンボジアに旅行した際に、このタトゥーが問題になったことはなかったと述べた。

 また今回、何の容疑で拘束されたのかは告げられていないという。取材の前にすでに6時間拘束され、その間、警官から賄賂を要求されたとも語った。これまで5000ルピー(約3900円)を払って弁護士を依頼したが、援助を受けられていないとも述べ「とても恐怖を感じている」と語った。

 国民の大多数が仏教徒のスリランカでは、宗教に対する侮辱に非常に敏感で、昨年3月にも腕に仏陀のタトゥーを入れていた英国人観光客が入国できなかった。また2012年8月には、仏像にキスをしたフランス人観光客3人が禁錮刑を言い渡された。

 2010年には米国のラップ歌手エイコン(Akon)も、プロモーションビデオの中に露出度の高い服装の女性たちが仏像の前で踊る場面があったことを理由に入国を拒否された。

 コールマンさんが今後、どの国へ追放されるのか、あるいは航空機に乗せられるのかは現時点で明らかになっていない。(c)AFP