【4月23日 AFP】西アフリカ・マリのイスラム武装勢力「西アフリカ統一聖戦運動(Movement for Oneness and Jihad in West AfricaMUJAO)」は22日、2012年11月に誘拐していたフランス人男性が死亡したことを明らかにした。

 MUJAOの報道官はAFPに電話で、ジルベルト・ロドリゲス・レアル(Gilberto Rodrigues Leal)さん(62)は「フランスがわれわれの敵であるために死亡した」と語ったが、死亡した日やその状況などは明らかにしなかった。

 フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領は声明で「ジルベルト・ロドリゲス・レアルさんに何が起きたのかを突き止めるまで、フランスはあらゆる努力を尽くす。(責任を負うべき者には)必ず罰を与える」と述べるとともに、ロドリゲス・レアルさんが「監禁されていた環境が原因で数週間前に死亡したと考える十分な理由がある」ことを明らかにした。

 仏外務省の報道官によると、仏政府は数か月前からロドリゲス・レアルさんの身の安全を懸念してきており、家族には2013年12月に死亡した恐れがあると伝えていた。

 ロドリゲス・レアルさんは2012年11月20日、モーリタニアからマリにキャンピングカーで入国した後、西部の町ケーズ(Kayes)近郊で武装集団に誘拐された。

 イスラム過激派組織「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(Al-Qaeda in the Islamic MaghrebAQIM)」系グループであるMUJAOは、2012年の軍事クーデター後にトゥアレグ(Tuareg) 人分離派勢力と共にマリ北部の広大な砂漠地帯を掌握したイスラム勢力のうちの一つ。

 後にトゥアレグ人勢力を圧倒し、首都バマコ(Bamako)への進攻を開始したため、旧宗主国のフランスは2013年1月に軍事介入を決行。北部の多くの町からアルカイダ系武装勢力を追い出し、現在も残存勢力の掃討作戦を続けている。(c)AFP/Serge Daniel