【4月22日 AFP】米飲料大手コカ・コーラ(Coca-Cola)の果実飲料の表示の適正性について審理している米最高裁判事らは21日、同社の製品表示に対する姿勢を厳しく叱責した。

 コカ・コーラは、同社の飲料ブランド「ミニッツメイド(Minute Maid)」の「ザクロ・ブルーベリー」にこの2種類の果実が実際は0.5%しか含まれておらず、消費者を欺いているとして、米カリフォルニア(California)州の果実飲料メーカー「ポム・ワンダフル(Pom Wonderful)」から訴えられている。

 ポム・ワンダフル側の弁護士セス・ワックスマン(Seth Waxman)氏は、この飲料に使われている果汁のほとんどは「リンゴとブドウ」で、消費者はコカ・コーラにだまされており、その結果、100%果汁のザクロジュースを販売しているポム・ワンダフルは損害を受けていると主張した。

 サンフランシスコ(San Francisco)で行われた下級審では、コカ・コーラの表示は米食品医薬品局(Food and Drug AdministrationFDA)の基準に合致していると判断された。

 コカ・コーラ側の弁護士キャスリーン・サリバン(Kathleen Sullivan)氏は、FDAには表示の「全国的統一」をはかる責任があると述べたが、米最高裁のアンソニー・ケネディ(Anthony Kennedy)判事は「コカ・コーラは、本件でみられたような消費者を欺く表示が、表示の全国的統一に沿ったものだと考えているのか」と詰問した。

 またサミュエル・アリト(Samuel Alito)最高裁判事は、ザクロ果汁の健康効果を期待してこの商品を買う消費者は「実際に含まれているザクロ果汁が1%の半分にも満たないことに、非常に驚くのではないか」と述べた。判決は6月に下される。(c)AFP