【4月28日 AFP】ここ何年もの間、パキスタンの人々は夏に停電が起きるたびに恨み言を口にしながら汗をかいてきた。しかしパキスタン政府は今、慢性的な電力危機を克服するために、その強烈な日光を活用する計画を立てている。

 パキスタン・パンジャブ(Punjab)州、チョリスタン砂漠(Cholistan Desert)の一角には、4000ヘクタールほどの面積に送電線と水道管、そして出来たばかりの道路が広がる。州政府は500万ドル(約5億1200万円)を投じてインフラを整備し、この不毛の土地を世界最大の太陽エネルギー公園に変身させようとしている。目指す発電容量は1日1000メガワットだ。

 同州バハワルプール(Bahawalpur)地区の砂漠の公園は、人々にみじめな思いをさせ、経済成長を阻んできた計画停電に対処する最新の政策だ。パキスタン中部では毎年6~7月になると、気温が50度にも達するときがある。電気需要は急増し、約4000メガワットの電力不足が起こる。

「100メガワットの電力を発電する第1段階の試験プロジェクトは、今年末までに完了したい」とバハワルプール地区の自治体長イムラン・シカンダール・バルチ(Imran Sikandar Baluch)氏はAFPの取材に語る。「最初の100メガワットの後は、1000メガワットの発電量を可能にするために、政府が投資家を呼び込む予定だ」という。

 第1段階のプロジェクトは国家事業だが、民間の投資家も関心を抱いている。首都イスラマバード(Islamabad)を拠点とする民間電力会社「セーフ・ソーラー・パワー(Safe Solar Power)」のラジャ・ワッカール(Raja Waqar)氏もその1人だ。同社では1000万ドル(約10億2500万円)を投資し、新たにできるこの砂漠の公園に10メガワットの発電施設の建設を計画している。