【4月21日 AFP】フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領は20日、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領政権が現在も化学兵器を使用しているとの「情報」をフランス政府が入手したことを明らかにした。ただ、確証はないとしている。

 オランド大統領は仏ラジオ局ヨーロッパ1(Europe 1)とのインタビューで、アサド政権が最近の攻撃で化学兵器を使った疑惑が出ていることについて尋ねられ、「われわれの手元には2~3の情報があるが、確実な証拠はない」と述べた。その上で「私が知っていることは、これまでアサド政権を見てきて分かっていることだ。おぞましい攻撃手段の能力を持っており、政治的な移行を拒絶し続ける政権だということだ」と続けた。

 一方、ローラン・ファビウス(Laurent Fabius)外相も同ラジオ局に対し「これから検証する必要があるが、最近も化学兵器による攻撃が行われているとの指摘がある」と語った。

 事情に詳しい仏政府筋がAFPに語ったところによると、「シリア反体制派を含む複数の情報源」から報告があったという。

 シリアでは今月上旬、中部ハマ(Hama)県カファル・ゼイタ(Kafr Zita)での攻撃で化学兵器が使用されたとの報告があり、アサド政権と反体制派が互いをそれぞれ非難している。

 現地の反体制派の活動家らは、政府軍が塩素ガスを使用し「100人以上が窒息した」と主張している。これに対しシリア国営テレビは、やはり100人以上が呼吸困難に陥り2人が死亡したとしつつ、化学兵器を使用したのは反体制派に属する国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系の「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」だと主張している。(c)AFP