ローマ法王、復活祭でウクライナの暴力阻止呼び掛け
このニュースをシェア
【4月21日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は20日、復活祭(イースター)のメッセージで、ウクライナでの「暴力阻止」を国際社会に呼びかけた。
法王は復活祭の祈りの中で、「私たちは皆さんに、ウクライナの平和を促進する取り組みを啓発し、奮起するよう要請します」と表明。「すべての関係者が、国際社会の支援を受け、暴力を阻止するためのあらゆる努力を行い、調和と対話の精神をもってウクライナの未来への道を示すように」と訴えた。
バチカン(ローマ法王庁)によると、サンピエトロ広場(St Peter's Square)と広場につながる大通りにはこの日、復活祭のミサと「ウルビ・エト・オルビ(Urbi et Orbi)」(ローマと全世界へ)と呼ばれる法王からの祝福を求めて15万人の人々が集まった。
今年の復活祭は正教会(Orthodox)の暦と一致しており、ウクライナ政府は、復活祭が終わるまでウクライナ東部の親ロシア武装勢力への対応を中断すると発表していた。
だが、政情不安が続くウクライナ東部スラビャンスク(Slavyansk)近郊の検問所で20日に銃撃戦があり、地元指導者によると4人が死亡した。
さらに、宗教界の指導者間でも激しい非難合戦が勃発。ウクライナ正教会キエフ総主教庁のフィラレート総主教(Patriarch Filaret)は、ロシアは「敵」であり、その「攻撃」は邪悪で神の意志に背くものなので失敗する運命にあると述べ、一方の露モスクワ(Moscow)ではロシア正教会のキリル総主教(Patriarch Kirill)が「聖なるロシアの破壊を求める者たちの企みを終わらせる」よう神に祈り、ウクライナは「霊的にも歴史的にも」ロシアと一体である、と述べた。
ウクライナのキリスト教信者はキエフ総主教派とモスクワ総主教派に分かれており、さらに少数派がバチカンの権威を認めるギリシャ・カトリック教会に属している。(c)AFP/Dario THUBURN