ブラジル病院から新生児ら40人の遺体 「まるでホラー映画」
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【4月15日 AFP】ブラジルの病院で、新生児や胎児の遺体40体が霊安室に放置されていたことが、当局の14日の発表により分かった。その光景は、さながらホラー映画のようだったという。
この病院はリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)にある市立ペドロ・エルネスト病院(Pedro Ernesto Hospital)。遺体は長いもので5年間も霊安室の冷蔵保管庫内に放置され、朽ちかかったものもあったという。
当局はさらに、多数の体の一部も発見した。検察当局は、救急の手術で切断したものが放置されたとみている。
アナ・クリスティナ・フス・マセド(Ana Cristina Huth Macedo)検事はAFPの取材に「まるでホラー映画の一場面のようだった」「発見された遺体は、できるだけ早く尊厳のある埋葬に処したい」と語った。
ペドロ・エルネスト病院は大きな危険を伴う分娩を手掛けることで有名なことから、これほど多くの乳児が死亡したことも説明がつくという。
同院のホドウフォ・アカタウアス・ヌネス(Rodolfo Acatauassu Nunes)院長は同国のテレビ局に対し、今回見つかった幼児の遺体は、親たちが引き取ろうとしなかったために放置されていたと説明。「これは、亡くなった子どもの親が遺体を引き取りにこないという社会問題と関係がある」と語った。
検察当局は、発見された遺体のうち15体の身元を特定できなかった。見つかった全ての遺体は両親を特定するためDNA鑑定が行われる。
新生児らの放置遺体が見つかったのは、当局が検察に対しある乳児の所在を調べるよう要請したことがきっかけだった。この乳児は薬物中毒の母親による死産だったが、1年が経過しても埋葬されていないことが判明。これが、埋葬されず放置された数十体の遺体発見につながった。
マセド検事は、責任の所在が病院側と家族のどちらにあるのかを明らかにせねばならないと語っている。(c)AFP