【4月15日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、リバプール(Liverpool FC)のスティーブン・ジェラード(Steven Gerrard)は、同じくタイトル獲得を狙うマンチェスター・シティ(Manchester City)から収めた貴重な勝利を、「ヒルズボロの悲劇(Hillsborough Disaster)」の犠牲者とその遺族にささげると話した。

 1989年、シェフィールド(Sheffield)のヒルズボロ・スタジアム(Hillsborough stadium)で開催されたFAカップ(FA Cup)のリバプール対ノッティンガム・フォレスト(Nottingham Forest)戦で起きた事故により、96人のリバプールのサポーターが押しつぶされて命を落としたが、ジェラードのいとこにあたる当時10歳のジョン・ポール・ギルフーリー(Jon-Paul Gilhooley)君は最年少の犠牲者になった。

 ヒルズボロの悲劇から丸25年を迎える15日、リバプールの本拠地アンフィールド(Anfield)では追悼式典が行われ、選手全員が出席することになっている。

 試合がこの日に近かったこと、3-2で試合を制したチームが24年ぶりのリーグ優勝に近づいたことが相まって、試合終了のホイッスルと同時にリバプールの主将を務めるジェラードの目からは涙がこぼれた。

「この試合に敗れることを考えたら、とても感情的になってしまった」

「今季の僕たちにとって重要な試合であっただけでなく、この一週間はリバプールの関係者にとってサッカー以上の意味を持つ。多くの人々が感情的になる」

「みんなを代表して、僕がこの勝利をヒルズボロの犠牲者と遺族に捧げると話しているだけさ」

「チーム全員が式典に出席し、当然の敬意を払うつもりだ」

 15日の追悼式典には、クラブの役員をはじめとするスタッフも参加するほか、かつての所属選手や指揮官の多くも出席する予定で、リバプールのブレンダン・ロジャーズ(Brendan Rodgers)監督と、エバートン(Everton)のロベルト・マルティネス(Roberto Martinez)監督が式辞を述べることになっている。

 また、あらゆるチームのファンとスポーツ施設から寄付されたマフラーで、ピッチの上に大きな「96」の文字を作るという。