【4月15日 AFP】ウクライナからの分離独立の動きが強まっている同国東部で、各地の政府関連施設を組織的な襲撃で制圧していた親ロシア派勢力は14日、さらに新たな警察署を占拠するなど、その勢力を拡大した。

 親露派は、ウクライナ暫定政権が大々的に宣言した「全面的な対テロ作戦」にひるむことはほとんどなく、むしろ自信を持ち始めているようだ。

 東部ドネツク(Donetsk)州の州都ドネツク市と親露派の実効支配下にあるスラビャンスク(Slavyansk)市を南北に結ぶ高速道路にまたがる炭鉱町、ゴルロフカ(Gorlivka)では、石やこん棒で武装したデモ隊が警察署に侵入。

 勢いを得た親露派は口笛を吹いたり叫び声を上げたりしながら、恐れをなした治安部隊から防護盾を剥ぎ取った。そして、一方的に樹立を宣言した「ドネツク人民共和国」の三色旗を掲げた。

 カラシニコフ自動小銃などで武装し、人口30万人強のスラビャンスクで地元の警察署と治安機関の建物を掌握していた親露派は、その支配をさらに行政庁舎にも拡大。その後、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領にロシア軍の派遣を要請した。

 親露派の指導者は記者団を前に、「われわれはロシアに対し、自分たちの保護と、ドンバス(ドネツク州を含むウクライナ東部からロシアにまたがる大炭田地帯)の人々の大量虐殺を許さないよう求める」として、「プーチン大統領の支援を要請する」と語った。(c)AFP/Nicolas MILETITCH and Dmitry ZAKS in Kiev