【4月14日 AFP】韓国の国民健康保険公団(NHIS)は14日、国内外のたばこ大手3社を相手取り、喫煙関連の疾病に対する国保負担に対し537億ウォン(約52億円)の損害賠償を求める訴訟をソウル(Seoul)の中央地方法院(地裁)に起こしたと発表した。

 提訴されたのはフィリップモリス(Phillip Morris)、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(British American TobaccoBAT)、韓国最大手KT&Gの3社。NHISは訴訟に踏み切った理由を「国家の将来と健康保険制度を維持するため」と説明している。

 損害額は、喫煙によって発症する可能性が最も高い肺がん2種と咽頭がん1種のいずれかと診断されるまでに30年を超える喫煙歴があった患者についてNHISが負担した医療費を基に算出したという。

 一方、肺がん患者ら30人がKT&Gに損害賠償を求めていた訴訟では、韓国大法院(最高裁)が前週、「肺がんと喫煙の因果関係を証明するのは難しい」として原告敗訴の判決を下している。

 韓国の成人喫煙率は約25%で、このうち43.3%が男性、10%が10代の喫煙者とされる。(c)AFP