【4月13日 AFP】イタリアの首都ローマ(Rome)で12日、政府の緊縮財政策などに抗議するデモが行われ、参加者の一部が暴徒化したことから治安部隊が強制排除に乗り出し、数十人の負傷者が出た。

 当局によると、デモ参加者らが治安部隊に向かって石や爆竹を投げ付けたため、隊員らの間には20人ほどの負傷者が出た。また、デモ参加者の1人は手に持っていた爆竹が爆発し、指数本を失う重傷を負ったという。このほか警察が催涙ガスを使用したことから、デモ隊の数人が負傷した。

 内相によると、このデモに関連してこれまでに6人が身柄を拘束されている。デモの主催者は、この日のデモ行進には約1万5000人が参加したと発表しているが、当局はこの人数について、確認は取れていないとしている。

 労働者や学生、反緊縮財政を掲げる活動家などが参加したデモは当初、平和的に抗議活動を行っていた。しかし、市内中心部にある経済・財務省に近付くと、雇用改革に関する政策を批判するスローガンなどを叫び始めた。

「住宅、所得、尊厳」、「われわれをニートと呼んでくれ」「不安定な状況にある国民は怒っている」などと書かれた横断幕を掲げて政府の雇用改革に抗議の声を上げ、フードをかぶるなどして頭や顔を隠した参加者らは、政府庁舎などの建物に卵やオレンジを投げ付けた。

 2月に就任したマッテオ・レンツィ(Matteo Renzi)首相は野心的な経済改革案を掲げており、公共支出を45億ユーロ(約6350億円)程度削減するとしている。また、イタリアの失業率は今年2月に過去最悪の13%を記録しており、首相は経済改革について、「景気回復のための必須条件」だと主張している。(c)AFP