【4月12日 AFP】酸による攻撃がここ数週間で相次いで発生した南米コロンビアでは、この暴力的な犯罪を抑止するための特別な法律を求める声が高まっている。

 同国では、恋人同士の争いや近所同士のいさかいなどで、過去2週間に5人が腐食性薬品で襲われ重度のやけどを負った。最新の事件は9日に発生し、北西の都市メデリン(Medellin)で22歳の被害者が死亡した。

 酸を使った犯罪は何ら新しいものではなく、検視局の統計によると、2004年以降、コロンビアでは1000件近くの酸による攻撃事件が報告されている。

 しかし3月末に、首都ボゴタ(Bogota)の富裕層出身のナタリア・ポンセ(Natalia Ponce)さん(33)が酸で襲われたのをきっかけに、国内のメディアで大きく取り扱われるようになった。

 フアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)大統領は酸攻撃を「まことに残忍で嘆かわしい」と非難し、政府当局は犯人逮捕につながる情報提供に4万ドル(約400万円)の賞金を提示した。

 過去10年の間に報告された926件の酸攻撃事件のうち、禁錮刑の判決が出たのは3件のみだ。

 ポンセさんの弁護士、アベラルド・デラエスプリエジャ(Abelardo de la Espriella)氏は、「必要なのは、重い刑罰を科す、減刑のない特別な犯罪カテゴリーを設けることだ」と述べた。また、MIRA党のグロリア・ステジャ・ディアス(Gloria Stella Diaz)議員は、他の政治勢力からも支持を受け、12~45年の禁錮刑を含む、より重い刑罰を提案する法案を提出した。(c)AFP/Philippe ZYGE