「ソ連解体は反逆罪」、ゴルバチョフ氏の捜査を要請 露議員
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【4月11日 AFP】ロシア下院の議員グループが、1991年のソビエト連邦解体をめぐり当時ソ連大統領だったミハイル・ゴルバチョフ(Mikhail Gorbachev)氏(83)を国家反逆罪で捜査するよう、検察当局に正式要請した。10日、議員の1人が明らかにした。
共産党のイバン・ニキチュク(Ivan Nikitchuk)議員は、最近の情勢や特にウクライナ問題を受けて、与党・統一ロシア(United Russia)の議員2人を含む超党派の議員5人がユーリ・チャイカ(Yury Chaika)検事総長に対し、ゴルバチョフ氏の捜査を求めたと語った。
ニキチュク議員はAFPの取材に、「彼(ゴルバチョフ氏)と、彼が旧ソ連を崩壊させるのに手を貸した者たちを、国益を損なった反逆行為で訴追するよう」検事総長に求めたと述べ、91年当時のソ連国民は国家の解体を望んでいなかったと指摘した。
ゴルバチョフ氏は、旧ソ連大統領時代に「ペレストロイカ(改革)」と「グラスノスチ(情報公開)」を打ち出し、より開かれたソ連の繁栄を目指した。これが意図せずして、ソ連を地図上から消滅させ、自分自身を権力の座から追いやる結果となった。
「その破壊の影響は、現在われわれが目にしている紛争の数々にも感じられる通りだ」とニキチュク議員は述べ、ウクライナだけではなく他の旧ソ連構成諸国についても、この20年間にわたって当てはまることだと主張した。
この動きについてゴルバチョフ氏は、露インタファクス(Interfax)通信に対し「熟慮されたものではなく、歴史的見解から見て根拠がない。一部の議員が単に注目を浴びたいだけだ」と語っている。(c)AFP