オランダ政府、「スレブレニツァの虐殺」の遺族に賠償へ
このニュースをシェア
【4月11日 AFP】オランダ政府は10日、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中の1995年に同国東部スレブレニツァ(Srebrenica)で平和維持活動中のオランダ軍部隊によって国連(UN)施設から退去させられた後にセルビア人武装勢力に殺害されたイスラム教徒の男性3人の遺族4人に対し、それぞれ2万ユーロ(約280万円)の賠償金を支払うと発表した。
オランダの最高裁は昨年、3人の死の責任はオランダ政府にあるとの判断を下していた。国連平和維持部隊の行動に対し一国の政府の責任が認められたのは、これが初めて。
オランダ国防省報道官によると、賠償金は死亡した3人の男性の遺族4人の精神的苦痛に対して支払われるもので、死亡による所得の喪失などの物質的な損害賠償については別に支払われる可能性がある。
スレブレニツァでは1995年7月、セルビア人武装勢力司令官ラトコ・ムラディッチ(Ratko Mladic)被告の率いる部隊によって、8000人近くのイスラム教徒の男性や少年が虐殺された。当時スレブレニツァにはオランダの平和維持部隊が展開し、安全地帯に指定されていたが、軽武装のオランダ軍部隊はセルビア人武装勢力によって退けられた。
国際司法裁判所(International Court of Justice)は「スレブレニツァの虐殺」を「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と認定している。(c)AFP/Nicolas DELAUNAY