ロシア支配におびえるクリミアの同性愛者たち
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【4月14日 AFP】クリミア(Crimea)で同性愛者であることを隠さず教師として働き、パートナーと共に4人の子どもを育てているエレーナさん(38)は、クリミアがロシアに併合されたことで、家族も仕事も失ってしまうのではないかと恐れている。
エレーナさんは、先月にクリミア半島がウクライナから分離しロシアに対して忠誠を誓って以来、ロシアの厳しい法律が自分と家族に与えるかもしれない影響におびえる毎日を送っている。
クリミアの主要都市シンフェロポリ(Simferopol)で、名字を明かさないという条件の下でAFPの取材に応じたエレーナさんは「子どもたちを取り上げられるのではないか、仕事でも何か問題が起きるのではないかと、真剣に心配している」と語った。
ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は昨年、未成年者に対する「同性愛のプロパガンダ(宣伝)」行為を禁じる法律を成立させた。
専門家らは、この法律の文言が極めてあいまいなため同性愛者の迫害に利用されうると指摘しており、人権活動家らも、法律によって反同性愛感情や憎悪犯罪(ヘイトクライム)が助長されていると話す。
さらにロシアでは、同性カップルによる養子縁組を禁止する法律も制定されている。
エレーナさんは、この法律は事実上、自分の生き方を非合法化するものだと考えている。「平たく言えば、こうした人々(同性愛者)の存在自体がプロパガンダなのです」