【4月9日 AFP】イタリア内相は9日、同国が過去2日間に船で地中海(Mediterranean)を渡ろうとしていた難民約4000人を救出したと発表し、この「危機」について「ますます深刻化している」と懸念を示した。

 アンジェリーノ・アルファノ(Angelino Alfano)内相は、イタリア放送協会(RAI)のラジオに対し、「(難民は)ひっきりなしに到着しており、この緊急事態はますます深刻化している。たった今も、商用船2隻が、それぞれ300人と361人が乗った2隻のボートの救助に当たっている。乗船者のうち少なくとも1人が死亡しているとみられる」と発表した。

 アルファノ内相は、今年に入ってこれまでに救助された難民の数は1万5000人に上ると推定している。さらに、これから30万~60万人の難民がリビアから危険な船旅に出ようとしていると語り、これでも「欧州委員会(European Commission)のセシリア・マルムストローム(Cecilia Malmstroem)内務担当委員がすでに確認している低い推定だ」と述べている。

 アルファノ内相は、欧州連合(EU)の圏境管理を担当する欧州対外国境管理協力機関(フロンテックス、Frontex)に8000万ユーロ(約110億円)を拠出したからといって問題解決には至っていないとして、「欧州はこの事態を収拾しなければならない」と指摘した。(c)AFP