シリアを故郷と呼んだオランダ人司祭、ホムスで殺害される
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【4月8日 AFP】シリア中部ホムス(Homs)で7日、政府軍による包囲が続く旧市街にとどまり続けたことで知られていたオランダ人司祭が、覆面の男に射殺された。
殺害の動機は明らかではないが、シリアの反体制派とバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権側は、相手側の犯行だとして互いに非難している。
殺害されたフランス・ファン・デル・ルフト(Frans van der Lugt)司祭(75)は、政府軍による包囲が2年近く続く反体制派掌握地域の住民との連帯を示し、頻繁な砲撃や必需品の不足などが続く同地域にとどまり続けたことで、多くの人から尊敬を集めていた。
オランダ・イエズス会(Dutch Jesuit Order)はAFPの電話取材に対し、男が同司祭を自宅前の道路に連れだし、頭部を2回撃って殺害したと明かした。司祭の遺体は本人の生前の意向により、シリアで埋葬されるという。
ファン・デル・ルフト司祭は今年2月、AFPの取材に対し、50年近く暮らしてきたシリアは自分にとって故郷のようなものだと語っていた。同司祭は、レバノンで2年間アラビア語を学んだ後、1966年にシリアに移住。イエズス会の修道院でキリスト教信者を率い、貧しい家庭には、イスラム教徒でもキリスト教徒でも分け隔てなく支援を行っていた。(c)AFP