【4月6日 AFP】英国で、英語の文法をめぐる奇妙なバトルが繰り広げられている。交通標識から「アポストロフィー」を省略したい地方議会と、それを止めようとする英語愛好家たちの闘いだ。

 バトルの波は今、大学の街ケンブリッジ(Cambridge)に押し寄せている。たとえば「キングズ・ロード」の標識は、「King's Road」から「Kings Road」に変えられた。

 しかしケンブリッジ市はこの方針の撤回を余儀なくされた。何者かが夜中にマジックでアポストロフィーを書き込むゲリラ運動を始めたためだ。

 地方政府が句読点を省略し始めたのは、中央政府から救急医療サービスのためにと、勧告があったためとみられる。

 今年、ぜんそくを患っていた10代の子が、アポストロフィーのせいで救急車が違う住所に向かったために死亡した。

 ケンブリッジ市議会のティム・ワード(Tim Ward)氏は、「国のガイドラインには、新しい通りの名前に句読点を入れないことが推奨されていた。句読点が救急サービスのソフトウェアでうまく処理されていなかったためだと思われる」と、AFPに語った。

「この事件が注目されてから、私たちは国のガイドラインを見直した。すると、新しい通りの名前に句読点が入っているのは好ましくないと書かれていた条項がなくなっていた」

 米国やオーストラリアではかなり以前からアポストロフィーは消えている。だが英国では英語の擁護者たちから激しい怒りをかっている。