ヒトラーの妻はユダヤ系だった? 英テレビ番組でDNA分析
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【4月6日 AFP】ナチス・ドイツ(Nazi)総統アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)の妻、エバ・ブラウン(Eva Braun)がユダヤ人の血を引いている可能性があることが、英テレビ番組が実施した遺伝子の分析で分かった。番組制作者らが5日、明らかにした。
ユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)の責任を負うヒトラーは1945年、長い間愛人関係にあったエバ・ブラウンと結婚。その直後に2人はベルリン(Berlin)市内の地下壕(ごう)で自殺した。
英テレビ局「チャンネル4(Channel 4)」が9日に放送予定の番組「Dead Famous DNA」は、毛髪のDNA分析からエバ・ブラウンの祖先にユダヤ人がいた可能性を示すという。
同番組の委託を受けた科学者らは、ドイツ・バイエルン(Bavarian)州のヒトラーの山荘で発見された、モノグラム(文字を組み合わせた模様)がついたブラウンのヘアブラシから採取したとされる毛髪のDNAを分析した。その結果、アシュケナージ系ユダヤ人と強い関連性があり、母から子に引き継がれるハプログループN1b1という塩基配列があることが分かった。
アシュケナージ系ユダヤ人は、中世初期に中欧や東欧に定住し、その一部は19世紀にドイツでカトリックに改宗した。
同番組の司会者マーク・エバンズ(Mark Evans)氏は、「考えさせられる結果となった。このように奥深い、驚くべき結果になろうとは予想もしていなかった」と語った。
毛髪が採取されたヘアブラシは、米第7軍の情報将校だったポール・ベア(Paul Baer)大尉がヒトラーの別荘「ベルクホーフ(Berghof)」で発見した。ベア大尉は同別荘への立ち入りを特別に許可され、エバ・ブラウンの私室から多くの持ち物を押収した。同別荘で1945年に撮影された写真の中には、ヘアブラシを持ったベア大尉の写真が複数枚残されている。(c)AFP