トルコ首相、憲法裁のツイッター解禁令を批判
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【4月5日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相は4日、政府が命じたツイッター(Twitter)の接続の遮断は国民の権利を侵害するものだとして解除を命じた憲法裁判所を、公然と批判した。
首相の発言は、3月30日に実施された統一地方選挙での与党・公正発展党(AKP)の勝利に後押しされたものとみられ、国内での大きな論争の火種となっているマイクロブログのツイッターの問題について、同社を非難するとともに、「(憲法裁判所の)判決を支持しない」と単刀直入に述べた。ツイッターの遮断は、3日に解除されている。
また、トルコ国内では現在も、軍高官がシリア情勢に関して行って会議の音声とみられる録音ファイルを拡散させたとして、動画投稿サイトのユーチューブ(YouTube)が遮断されている。ただ、これについては首都アンカラ(Ankara)の下級裁判所が4日、違法とする判断を示した。
首相は自らの側近らによる不正や汚職を示唆する投稿などが多数公開されたソーシャルメディアについて、「われわれの国家的、倫理的な価値観を無視してい る」とも発言しており、これを受けてベキル・ボズダー(Bekir Bozdag)法相も、「残念ながら、憲法裁判所の権限を逸脱している」と批判的な見解を示した。
一定の支持率を維持しているイスラム系の与党を率いるエルドアン首相だが、11年前の政権の発足以降、国内では都市部の住民が大半を占める世俗的な中間層と、首相の支持基盤である保守的なイスラム系の労働者層との二極化が進んでいる。ここ数か月にわたって続く政治危機もこれに拍車をかけており、先の選挙では、与野党の激戦が繰り広げられた自治体もあった。
なお、首相は同日、初の直接選挙となる今年8月に実施予定の大統領選への出馬の可能性についても言及。「アブドラ・ギュル(Abdullah Gul)大統領と相談した上で決断する」と述べ、出馬の可能性に含みを残した。(c)AFP/Fulya OZERKAN