【4月4日 AFP】大統領選挙を翌日に控えたアフガニスタンで4日、東部ホースト(Khost)州で外国人女性ジャーナリスト2人が男に撃たれ1人が死亡、1人が重傷を負った。

 州当局者はAFPの取材に対し、女性記者2人は警察本部内で撃たれたと語った。警察によると2人を撃った男は警察官の制服を着ていたという。

 2人ついては米AP通信(Associated Press)が首都カブール(Kabul)から、撃たれたのは自社の記者とカメラマンだと発表した。死亡したのは国際的評価の高いドイツ人カメラマン、アンニャ・ニードリングハウス(Anja Niedringhaus)氏で即死だったという。

 重傷を負ったのはキャシー・ギャノン(Kathy Gannon)記者で2発撃たれており、治療を受けているという。

 ホースト州は、パキスタン北部の情勢不穏な部族地域、北ワジリスタン(North Waziristan)と国境を接しているが、北ワジリスタンにはアフガニスタンで要人や外国人を狙った襲撃を繰り返しているとされるパキスタンの武装組織「ハッカニ・ネットワーク(Haqqani Network)」の拠点がある。

 アフガニスタンで大統領選期間に入ってから欧米のジャーナリストが殺害されたのは、ニードリングハウス氏が2人目。先月11日にはカブールで、スウェーデン公共ラジオのベテラン記者、ニルス・ホーナー(Nils Horner)氏(51)が何者かに銃撃されて死亡している。

 また、先月20日には、カブール市内の高級ホテルが旧支配勢力タリバン(Taliban)の武装グループに襲撃され、外国人4人やフランス通信(Agence France-PresseAFP)の記者とその家族ら計9人が死亡している。

 アフガニスタン史上、初めての民主的な政権交代となる5日の大統領選を前に、首都カブールでも要人らを狙った攻撃が相次いでいる。(c)AFP