月は44億7000万年前に形成、国際研究
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【4月4日 AFP】月は太陽系の誕生から約9500万年後に起きた衝突で形成されたとする研究論文が、2日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。衝突事象の年代決定を新たに試みた研究論文によると、地球はこの衝突によって現在知られているような内部構造が形成されたという。
フランス、ドイツ、米国の惑星科学者の国際研究チームが発表した論文によると、約44億7000万年(誤差の範囲はプラスマイナス3200万年)前に、初期の原始地球と火星ほどの大きさの天体との衝突が起き、後に月になったと思われる物質がはじき出されたという。
この衝突事象は、月を形成しただけでなく、地球の超高温の表面から中心方向に沈んでいる溶解した金属による核(コア)の形成を最終段階に導いたとも考えられている。
衝突が起きた時期については、これまでの試算で、太陽系の始まりから約3000万年後に起きた「早期」の衝突から、最大で2億年後とする「後期」の衝突まで、広い幅があった。
太陽系自体の年齢は、地球上で見つかる最古の物質である隕石(いんせき)に含まれる、一部の成分の正確な年代測定により、45億6700万年であるとされている。また地球は、太陽系が始まってから最初の1億5000万年の間のどこかの時点で形成されたと考えられている。
これまでに行われた多くの年代推定は、岩石に含まれる原子核の放射性崩壊の測定に基づいている。