【4月4日 AFP】映画『スター・ウォーズ(Star Wars)』の悪役「ダース・ベイダー(Darth Vader)」を名乗って5月のウクライナ大統領選に立候補を表明した男性について、同国の中央選挙管理委員会は3日、出馬を認めない決定を下した。

 この男性は先月29日、ダース・ベイダーの扮装で首都キエフ(Kiev)の選管事務所に現れ、「ダース・ベイダー」の名が印字されたパスポート(旅券)を提示。2010年に結成された「ウクライナ・インターネット党(Ukrainian Internet PartyUIP)」の代表として、250万フリブナ(約2300万円)を支払って大統領選への出馬を届け出ていた。

 だが、15人の選管委員は1週間近くかけ、男性の身元を確認。1956年生まれで現在キエフに在住し、大学で電気技師として働くビクトル・シェフチェンコ(Viktor Shevchenko)さんだと突き止めたという。

 選管委員の1人は「悪気のない冗談に思えるかもしれないが、笑い事では済まされない」「ウクライナの大統領選を茶番に仕立て上げようとする者がいる」と、憤りをあらわにした。

■次に目指すはロシア大統領?

 一方、当の「ベイダー卿」は記者らに対し、自分はビクトル・シェフチェンコさんとは遠い親戚ですらないと選管の調査結果を否定。選管の決定にはがっかりしたが、それなら2018年に行われるロシア大統領選に出馬し、現職のウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)氏の後任を目指すとの野望を語り、次のように述べた。

「ロシアは既に緑の小人たちに蹂躙(じゅうりん)されている。私のような最高司令官こそぴったりだ」 (c)AFP