チリ沖地震の死者6人に、日本でも小規模な津波を観測
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【4月3日 AFP】(一部更新)南米チリ北部沖で1日に発生したマグニチュード(M)8.2の地震で、2日までに6人の死亡が確認された。海岸沿いでは津波の恐れにより数十万人の住民が高台で一夜を過ごし、日本でも小規模な津波が観測された。
被災地では、地元警察と兵士らが略奪を防ぐため巡回を実施した。震源地に最も近い北部の沿岸都市イキケ(Iquique)では、女子刑務所の壁が崩れ落ち、約300人の受刑者が脱走。当局によると、うち110人の身柄が拘束された。
強烈な揺れが続いたため、沿岸部の住民100万人近くが自宅から避難した。首都サンティアゴ(Santiago)の北約1800キロにあるイキケでは、ショッピングセンターの崩れかけた屋根、壊れた窓や棚、商品が床に散らばる様子などが、地元テレビ局によって伝えられた。国家緊急対策本部によると、イキケ近郊のアルトオスピシオ(Alto Hospicio)では約2000軒の家屋が損傷した。
イキケとアルトオスピシオでは、ペルー人1人を含む男性5人と女性1人が死亡。隣国ペルーでも家屋が被害を受け、9人が負傷した。
日本の気象庁(Japan Meteorological Agency)によると、岩手県久慈市で3日午前6時52分に20センチの津波を観測。また北日本の数か所でも小規模な津波が観測された。気象庁では、より大きな津波が今後起きる可能性もあるとして警戒を呼び掛けている。
政府はこれに先立ち、津波注意報を発令し、東日本の太平洋沿岸部に最大1メートルの津波が予想されるとしていたが、大きな被害は出ない見込みだ。(c)AFP