【4月2日 AFP】サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)の試合が行われるサンパウロ(Sao Paulo)のアレーナ・デ・サンパウロ(Arena de Sao Paulo)で、作業員が死亡する重大な事故がまたしても発生し、作業が中断している。

 同スタジアムの建設開始以降、3人目となる死亡者が出た事故から3日が経過した1日、ブラジル政府は、作業員の安全が確保されるまで建設作業は再開させないと発表した。

 アレーナ・デ・サンパウロは、6月12日に大会開幕戦のブラジル対クロアチアの一戦が行われるスタジアムだが、今回の事故が起きる前の時点で、すでに作業の大幅な遅れが生じていた。

 ブラジル労働省の広報担当であるルイス・アントニオ・メデイロス(Luiz Antonio Medeiros)氏は、国内テレビ局グロボ(Globo)に対し、「安全な作業環境が確保されるまで、(建設作業のために)現場を開放することはしない」と語った。

「作業員の安全について深刻な問題がある」

 アレーナ・デ・サンパウロの建設現場では、すでに2013年11月にクレーンが倒れて2人が死亡する事故が発生しており、3月29日の事故では、仮設の座席を設置していた作業員が8メートルの高さから転落して死亡した。

 ブラジルW杯のスタジアム建設ではほかにも北部マナウス(Manaus)で3人、首都ブラジリア(Brasilia)で1人と合計7人が死亡している。

 メデイロス氏は3月31日に「仕事を終わらせたいのはみんな同じだが、起きたのはとても深刻な事故だ」と語り、労働省は座席の設置作業を中断させている。スタジアムはカンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)1部のコリンチャンス(Corinthians)が所有している。

 当局は、安全用のネットを置き、スタジアムの高所で働く作業員を守ることを求めている。(c)AFP