マレーシア機捜索、ブラックボックス探知器を投入へ
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【3月31日 AFP】消息を絶ったマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH370便の捜索は31日、ブラックボックスの回収に向け、特殊探知装置を搭載したオーストラリア艦船「オーシャン・シールド(Ocean Shield)」が捜索海域に向かった。ただ、専門家は、捜索範囲を絞り込むためにはまず海面に浮かんだ残骸を発見する必要があると警告している。
239人を乗せて8日に消息を絶ったMH370便は、マレーシア当局の発表によればインド洋(Indian Ocean)の南海域に墜落したとされる。これまで何度か同海域に浮遊する物体の目撃情報が上がっているが、MH370便の残骸と確認されたものはまだない。
31日は、ノルウェーの国土面積に相当する海域でオーストラリア、中国、日本、ニュージーランド、マレーシア、韓国、米国の7か国の航空機が空からの捜索を再開。また、中国の船7隻とオーストラリアの船2隻、商船1隻の計10隻が、豪南西パース(Perth)から西方沖に1850キロ離れた絶海域に向かった。
10隻のうち豪艦船「オーシャン・シールド」は、米国が提供したブラックボックス探知装置を搭載している。装置はブラックボックスが発する信号音を検知する「ピンガー・ロケーター(Pinger Locator)」や電子センサーで海底をくまなく探索できる無人潜水機を備えている。
しかし、2009年に大西洋に墜落したエールフランス(Air France)機の捜索に当たった米海軍のマーク・マシューズ(Mark Matthews)大尉は、ブラックボックスが発する信号を探知するにはマレーシア機の墜落海域を特定することが先決だと指摘した。
ブラックボックスが信号を発し続ける期間は通常30日間程度とされるため、「オーシャン・シールド」の現場海域到達がこれに間に合わないのではとの懸念も出ている。(c)AFP/Greg Wood