【3月31日 AFP】患者の筋肉の活動を追跡・監視し、そのデータを反映して投薬を可能にする「ばんそうこう」サイズの機器を開発したとの研究論文が、30日の科学誌「ネイチャー・ナノテクノロジー(Nature Nanotechnology)」に掲載された。

 てんかんやパーキンソン病などのいわゆる「運動障害」を監視するための方法としては、従来より動画録画やウェアラブル(身体装着式)機器などがあるが、これらはかさばったり、柔軟性に乏しかったりする傾向があった。

 韓国と米国の国際研究チームが開発した、皮膚に貼り付けて使用するこの最新の技術は、一見すると「ばんそうこう」のようにも見えるが、患者を監視するために「ナノテクノロジー」が利用されている。原子や分子ほどの大きさの微小ブロックを用いて機器を構成するため、かさばりや曲がりにくいなどの問題を回避できる。

 患者の邪魔にならず医療データを収集・保存し、そのデータに応じた薬剤を投与できるようにする技術の開発は、科学者らの長年の望みだった。

 これまでは、機器に搭載される電子部品とデータ記憶装置が大量に必要になることや、消費電力が高くなること、皮膚を通して薬剤を投与する仕組みが存在しないなどの理由で、こうした機器の開発は困難であるとされてきた。

 監視を行うことは、病気の進行を追跡する助けになり、治療の向上にもつながるが、従来の機器の電子部品は硬い上に壊れやすく、皮膚に貼り付けて使用するには不向きだった。