台湾で大規模デモ、対中貿易協定に反対
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【3月31日 AFP】台湾の台北(Taipei)で30日、台湾が中国と締結した「サービス貿易協定」の撤回を馬英九(Ma Ying-jeou)総統に求める大規模なデモが行われ、主催者発表で50万人、警察発表で12万人が参加した。
馬総統は前日、中国と交わされる全協定の内容を監視する新法を導入するとの譲歩案を提示していたが、総統府につながる通りはこの日、黒シャツを着て「民主主義を守れ。サービス貿易協定を撤回しろ」と書かれたはちまきを着けるなどした人々で埋め尽くされた。
「馬総統の提案は善意のように見えるが、注意深く見るとわれわれの要求に応えていないことは明らかだ」と学生らを率いる陳為廷 (Chen Wei-ting)氏が演説すると、群衆からは万雷の拍手が起こった。「われわれは国民の決意を示すためにここに集まったのだ」
集会が平穏に解散するにあたり、学生リーダーの林飛帆(Lin Fei-fan)氏は「皆さんは台湾の歴史に新たな章を書き入れた…この勝利は台湾のすべての人のものだ」と群衆に語った。「この集会は、台湾と中国の関係を規定する力をわれわれに与えるものだ。台湾の未来は台湾国民全員のものであり、われわれの未来は自分たち自身で決めるのだと、政府に言いたい」
台北では、デモ隊による立法院(国会)の占拠が3月18日から続いており、現在でも約200人が議場にとどまっている。1週間前には、デモ隊の一部が行政院(内閣)の建物内に突入し、強制排除に乗り出した警察と衝突、100人以上が負傷した。
林氏は、民意の反映に失敗した立法院の占拠はまだ続くだろうと述べている。(c)AFP/Benjamin YEH