【3月31日 AFP】サイバー犯罪の闇の世界は、個別の悪党らがうろつく世界から、独自の浮き沈みや行動規範、そしてイノベーションとともに、市場を基盤とした機能する経済の世界へと進化している。

 米シンクタンクのランド研究所(Rand Corp.)がセキュリティー会社ジュニパーネットワークス(Juniper Networks)の依頼を受けてまとめた報告書によると、「金銭的な動機を持ち、極めて組織化され洗練された集団らの遊び場」になっている、数十億ドル規模の整備された地下経済が存在しているという。

 報告書によれば、闇市場は「規模と複雑さにおいて成長を続け」ており、その活動は「自由市場の通常の発展と同じく、イノベーションと成長」を備えている。

 ジュニパーのセキュリティー担当副社長のマイケル・カラハン(Michael Callahan)氏は、このサイバー地下世界は、独自の通貨を含め一般的な経済の特徴を全て備えていると語る。通貨には仮想通貨ビットコイン(Bitcoin)などの暗号化された決済が可能な仕組みが使われている。

 カラハン氏によると、この地下経済の特徴は専門性と「回復力」だ。ある市場参加者が退場したとしても、すぐに次の参加者が登場するという。

「われわれは(闇市場サイトの)シルクロード(Silk Road)が閉鎖したときにこれを目撃した。翌日までに、他の市場参加者が(シルクロード退場の)穴埋めを始めていたのだ」とカラハン氏は語った。「それは、成熟した経済であることを示す兆候の一つだ」