【3月25日 AFP】暴力的なテレビゲームをする子どもは、考え方や行動に攻撃的な傾向を帯びやすい――シンガポールの学校に通う生徒3000人以上を調査した研究結果が24日、米国医師会(AMA)が発行する医学誌「JAMA小児科学(JAMA Pediatrics)」に掲載された。

 研究は米アイオワ州立大学(Iowa State University)心理学部とシンガポール国立教育研究所(National Institute of Education in Singapore)の研究者らが共同で実施し、シンガポールの学校に通う3034人の生徒たちを3年にわたって調査した。調査を開始した時点での生徒たちの平均年齢は11歳で、4分の3は男子だった。

 この調査は、用意された6つの質問に対し、与えられた4段階の尺度から回答を選ぶ形式で実施された。例えば「誰かが自分を怒らせたり、挑発したりしたとき、反応して相手を叩いたことがある」という質問には、「強く同意する」から「まったく同意しない」まで4段階の中でどれかを選ぶ。

 その結果、頻繁にテレビゲームをしていることと、攻撃的な振る舞いや思考を示す確率に関連性があったという。また生徒たちの回答の傾向に男女の差は見られず、親による子育てへの関与の度合いがそうした振る舞いを変える可能性は低かった。

 研究チームは今回の発見について、ビデオゲームと攻撃性に関連性があることを指摘した過去の研究を裏付けるものだと述べている。

 ただし外部の専門家からは、実際に行動実験を実施したわけでなく、自己報告形式の調査に頼った今回の研究手法に対して、疑問の声も上がっている。(c)AFP