【3月25日 AFP】「世界結核デー(World TB Day)」の24日、世界では毎年100万人の子供たちが結核を発症しているとする研究報告が、英医学誌「ランセット(Lancet)」に掲載された。この数字は、これまでの推計の約2倍にあたる。論文ではまた、薬物耐性結核の小児患者の数が初めて推計された。

 研究チームは、人口データとこれまでの研究論文を基にコンピューターモデルで分析を行った結果、2010年に結核を発症した15歳未満の子供の数が99万9800人に上ることが示唆された。地域別に見ると、約40%が東南アジア、28%がアフリカに集中していた。

 米ハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public HealthHSPH)のテッド・コーエン(Ted Cohen)氏によると、研究チームが算出した新たな小児結核患者の推計総数は、世界保健機関(WHO)が2011年に発表した推計値の約2倍だったという。

 また研究チームは、2010年に多剤耐性結核を発症した15歳未満の子供たちを約3万2000人と推計した。多剤耐性結核では、結核菌がイソニアジドやリファンピンなどの治療薬に対して耐性を持っているため、治療が困難となり治療費もかさむ。

 WHOによると、2012年にはおよそ45万人が多剤耐性結核を発症し、このうち17万人が死亡している。(c)AFP