【3月25日 AFP】インドの閣僚が、来月始まる総選挙で2回投票するように自身の支持者らに呼び掛けたことで、不正を推奨しているとの非難を浴びている。

 シャラド・パワル(Sharad Pawar)農相は、23日の選挙集会に参加した支持者らに対し、投票済みの証明として指に塗られるインクを洗い落とし、違う選挙区に行って、同農相が所属する国民会議派(Nationalist Congress PartyNCP)にもう一度投票するよう呼び掛けた。

 パワル氏はマハラシュトラ(Maharashtra)州の隣接する2つの選挙区では別々の日程で投票が実施されることを指摘した上で、「あっちで『時計』(国民会議派のシンボル)に投票したら、こっちに戻ってきてまた『時計』に投票しよう」と語ると、支持者の間でどっと笑いが起きた。

 4月7日に始まる総選挙に参加する庶民党(Aam Aadmi Party)など多くの政党はこの発言を問題視。反汚職を掲げる庶民党は「露骨な選挙違反行為」だとして、選挙委員会に苦情を申し立てる方針を表明した。

 パワル氏は後に、自身の発言は単なる「冗談」だったと説明。国民会議派の広報担当者も、「これらがまじめな発言ではなかった」ことを選管委は分かってくれるだろう、と自信を示した。(c)AFP