【3月21日 AFP】米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は20日、ロシアによるクリミア(Crimea)半島の併合を受けて、新たな制裁措置を発表した。これに対しロシア側も、有力議員や大統領の側近を含む9人の米当局者に対する制裁リストを公開した。

 オバマ氏は、もしロシアが方針を転換しないなら、ロシア経済のさらに広範囲を制裁対象にする意向を表明。「事態が加速すれば、ロシアは国際社会からの孤立を深める一方だと認識しておくべきだ」と語った。

 東西関係が冷戦後最悪の危機に直面する中、米が新たに発表した制裁措置では、既に対象となっていた11人に、議員や政府高官など20人が追加された。その中には、ゲンナジー・ティムチェンコ(Gennady Timchenko)氏とアルカーディ・ロテンベルク(Arkady Rotenberg)氏、ボリス・ロテンベルク(Boris Rotenberg)氏といったウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に近い著名実業家が含まれている。さらに、プーチン氏側近らと取引のある銀行も制裁対象となった。

 対するロシアは、オバマ氏側近のキャロライン・アトキンソン(Caroline Atkinson)氏、ダニエル・ファイファー(Daniel Pfeiffer)氏、ベンジャミン・ローズ(Benjamin Rhodes)氏に加え、いずれも上院議員のメアリー・ランドリュー(Mary Landrieu)氏、ジョン・マケイン(John McCain)氏、ダニエル・コーツ(Daniel Coats)氏を制裁対象に挙げた。

 ロシア外務省は「疑いの余地はないはずだ。強硬な攻撃があれば、毎回それに見合う措置を講じる」と発表。プーチン大統領の報道官も、米国の措置を「容認できるものではない」と非難した。(c)AFP/Claire Rosemberg, Bryan McManus