【3月21日 AFP】香港(Hong Kong)で、ここ数週間に報道関係者が襲われる事件が相次ぎ、「報道の自由」を危惧する声が高まっている。

 先月下旬に経験豊富なジャーナリストの劉進図(Kevin Lau)氏が暴漢に肉切り包丁で切り付けられて重傷を負ったのに続き、19日には日刊紙「香港晨報(Hong Kong Morning News)」の幹部2人が覆面をした4人組の男に鉄パイプで襲われ負傷した。

 いずれの襲撃も白昼堂々と行われており、香港の記者らは高まる身の危険に警戒を強めている。

 地元英字紙スタンダード(The Standard)は20日、「新たな襲撃に市内には包囲攻撃の空気漂う」との見出しで劉氏襲撃を報じた。

 劉氏襲撃の容疑者として37歳の男2人が逮捕、起訴された。20日に初めて出廷した被告らは、残忍な襲撃の様子が起訴状で読み上げられる間も落ち着き、無表情のままだった。2人は罪状を理解したとだけ述べ、罪状認否は拒否した。

 香港メディアは中国本土当局の話として、2人はマフィア組織「水房(Shui Fong)」の構成員で、1人100万香港ドル(約1300万円)の報酬で劉氏襲撃を請け負ったと伝えている。