【3月19日 AFP】消息を絶ったマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH370便の位置情報が最後に送信されてから数分後にタイ空軍のレーダーが「所属不明機」の機影を捕捉しながら、担当官らが脅威とみなさず報告していなかったことを19日、同軍が明らかにした。

 タイ空軍のモントン・スチュゴーン(Monthon Suchookorn)中将によれば、乗客乗員239人を乗せたMH370便の失踪から9日が経った17日に、マレーシア政府の要請を受けてレーダー記録を見直していた際に明るみになった。

 同中将はAFPの取材に対し、「所属不明機」が捕捉されたのはマレーシア時間8日の午前1時28分(日本時間同2時28分)で、離陸したクアラルンプール(Kuala Lumpur)やマラッカ海峡(Strait of Malacca)がある南西の方角へ引き返していた南シナ海(South China Sea)の上空で同機が消えた6分後だと説明した。

 航空機の高度や位置に関する情報を中継送信するトランスポンダーからの最後の送信は同1時21分で、「所属不明機」が捕捉された時間とほぼ一致する。

 その後、タイのレーダーは散発的ながらも再び北へ進む「所属不明機」の信号を捕捉したが、アンダマン海(Andaman Sea)上で消えたという。スチュゴーン中将は、この際の正確な時刻については触れずに「この航空機がMH370便だとは確認されていない」と述べた。

 スチュゴーン中将はさらにタイ空軍がこのデータについて調査しなかったのは、場所が「タイ領空ではなく、タイに対する脅威ではなかった」ためで、情報の公表を控えていたわけではないと述べた。

 この事実の発覚は、明らかに遅く、時に矛盾している当局の対応への怒りをさらにあおりそうだ。(c)AFP