NSA、対象国の全通話内容を1か月間分保管可能 米紙
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【3月19日 AFP】米国家安全保障局(National Security Agency、NSA)は特定した国の全ての通話を記録し、後日その通話を再生することが可能な技術を保有していると、米紙が18日、流出資料を基に報じた。
米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は、米当局の監視プログラムを暴露し訴追されたNSAの元契約職員、エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者から提供された資料を引用し、この通信傍受機関の設備はまるでタイムマシンのように機能し、過去からの情報を取り出すことができると伝えた。
同紙によると、NSAは「MYSTIC(ミスティック)」と「RETRO(レトロ)」という設備を使い、標的とした国の通話を100%収集し、1か月前の通話記録まで取り出すことが可能。このシステムでは、新規通話が記録されるごとに最も過去の通話記録から順次削除され、30日間分の通話記録を数十億件規模で保管することができるという。
ワシントン・ポスト紙は、米当局者からの要請を受け、このシステムがすでに運用されている対象国、あるいは将来的に運用対象となりうる国を特定できるような詳細情報について掲載を見送ったと付け加えた。
報道が事実であれば、MYSTICとRETROを通じて、NSAは一国の全ての通話を盗聴することが可能となるため、これらはNSAの他のどのプログラムよりも強力な存在であるといえる。
2013年にスノーデン容疑者が流出させた資料は、米国内外の個人や機関に対する幅広い監視の実態を明らかにした。(c)AFP/Rob Lever