宇宙誕生時の重力波を初観測、宇宙の急膨張を裏付ける大発見
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【3月18日 AFP】宇宙の起源とされる大爆発「ビッグバン(Big Bang)」の直後に宇宙に広がった重力波を初めて検出したと、米研究チームが17日、発表した。宇宙誕生に関する理解を深める画期的な発見だ。
この重力波は、140億年前に宇宙が急膨張した際に生まれたものとされ、物理学者アルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)が100年近く前に発表した一般相対性理論で存在を予言していたが、実際に観測されたことはなかった。
宇宙は誕生から一瞬のうちに急激に膨張したとする「インフレーション理論」を裏付ける初の直接的証拠とされる今回の発見は、米ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics)の専門家チームによって発表された。
重力波の検出は、宇宙最古の光を観測するため南極に設置されたBICEP2望遠鏡を使って行われた。この発見が他の専門家らによっても確認されれば、ノーベル賞受賞もあり得るとの声も上がっている。
米航空宇宙局(NASA)はこの発見について、「宇宙の急膨張を裏付けるだけでなく、空間と時間を切り離す奇妙な力に関する最初の手がかりを、理論家らに提供するものだ」との見解を示した。