【3月17日 AFP】米国防総省が17日発表したところによると、リビアの反政府勢力が支配する同国東部の港で原油を積み込んだ、北朝鮮国旗を掲げたタンカーに米海軍特殊部隊「シールズ(SEALs)」が乗り込み、制圧した。

 米国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は声明で「リビアとキプロス両政府の要請を受け、武装した3人のリビア人に今月初めに占拠された無国籍の商業用タンカー、モーニング・グローリー(Morning Glory)に米軍が乗り込み制圧した」と発表した。その際、負傷者は出なかったという。

 作戦はバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領の承認を受け、グリニッジ標準時(GMT)17日午前2時(日本時間同日午前11時)過ぎに「キプロス南東沖の国際水域で」実行された。

 同タンカーは積み荷として、リビア国営石油公社(Libyan National Oil Corporation) が所有する原油、少なくとも23万4000バレルを積載している。独立を目指すリビアの反政府勢力が制圧する東部の港シドラ(Al-Sidra)で、タンカーは積み荷ごと不法に占拠された。現在は米海兵隊の部隊が乗り込み、まもなくリビアのいずれかの港に向かう。

 一方、北朝鮮政府は前週の時点で、このタンカーに関するいかなる関与も否定している。タンカーはエジプトに拠点を置く船会社が運航しており、この会社が北朝鮮政府との契約によって一時的に北朝鮮国旗の使用を許可されていたと、国営朝鮮中央通信(Korean Central News AgencyKCNA)は報じている。

 北朝鮮側は、このタンカーが「船籍の登録および禁制品の輸送を禁じる契約」に関して同国の法律に違反したため、北朝鮮船籍を「解消し、抹消した」としている。従って北朝鮮とは「何の関係もなく」、「同タンカーに関するどんなことに関しても(北朝鮮に)責任はない」とKCNAは伝えた。(c)AFP