【3月16日 AFP】ウクライナ南部クリミア(Crimea)半島で16日朝(日本時間同日午後)、ウクライナからの分離とロシア編入の賛否を問う住民投票が始まった。

 現地で取材中のAFPの記者によると、ある投票所では16日午前8時(日本時間同日午後3時)より前に投票が始まったもようだ。AFP記者が訪れたある投票所には、正式な投票開始時刻の30分前に65人ほどの有権者が到着していた。

 欧州の東端に位置するクリミアで、ロシアは冷戦時代のような対立を引き起こしている。投票ではロシア編入が賛成多数で承認されると予想され、ロシアを除く国際社会の大半やウクライナ暫定政権は投票結果を受け入れない姿勢を示している。

 有権者数は約150万人で、ロシア編入か、ウクライナの一部にとどまり自治権を拡大するかを選択する。現状維持は選択肢に入っていない。クリミア半島は住民の大多数がロシア系で、この1か月ほどは実質的にロシアが掌握している。

 暫定結果は16日午後8時(日本時間17日午前3時)の投票締め切り後まもなく発表される予定だが、セバストポリ(Sevastopol)では早くも街頭でロシア国旗が配布されている。ロシア編入が承認された場合、今週から数か月かけて編入手続きが行われる見通しだ。

 住民投票について親ロシアのクリミア当局とロシア政府は、コソボ共和国がセルビアからの独立を決めたのと同様の自主決定だと主張しているが、米政府は、「ロシアが銃身を突き付けている」中での投票は民主的ではあり得ないと批判している。(c)AFP/Dario THUBURN