【3月14日 AFP】米保健当局は13日、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が女性から女性に感染した可能性が疑われる珍しい事例を報告した。

 米疾病対策センター(Centers for Disease Control and PreventionCDC)の発表によると、米テキサス(Texas)州で46歳の女性がHIV陽性の同性のパートナーから感染した可能性があるという。

 氏名は未公表のこの女性は、過去には男性とも関係があったが、この10年間は同性のパートナー以外とは関係を持っておらず、また今回のHIV検査前の過去6か月間は、現在のパートナーである女性としか関係を持っていないという。パートナーの43歳の女性は2008年にHIV検査で陽性と診断されている。

 また今回陽性が確認された女性は、薬物注射や臓器移植、入れ墨やはり治療、複数のパートナーとの無防備な性行為といった他の感染リスク要因は報告していない。さらにCDCは今週の報告で、感染した女性とパートナーの女性のHIV株は、遺伝子的に98%が適合したとしている。

 今回の事例について当局は2012年8月の時点で、同州ヒューストン(Houston)市の保健局から最初の情報を入手していた。

 女性2人は安全な性行為に関する助言を受けたことがなく、いつも感染に対する防御手段を取らずに性行為をしていたという。

 CDCでは、こうした事例はまれだとしながらも「HIVは膣液や経血からも検出されるため、女性間で感染する可能性もある」と警告している。(c)AFP