米上院委員長がCIA批判、スタッフのコンピューターを不正捜索
このニュースをシェア
【3月12日 AFP】米上院情報特別委員会(Senate Intelligence Committee)のダイアン・ファインスタイン(Dianne Feinstein)委員長は11日、米中央情報局(CIA)の尋問方法を調査していた上院スタッフが使用したコンピューターをCIAが不正に調べていたと非難した。
CIA長官はこれを否定し、CIAとそれを監督する立場の議員らの衝突が露呈するという、まれな事態となった。
カリフォルニア(California)州選出の有力な民主党議員であるファインスタイン氏は上院本会議で演説し、「CIAの捜索は、合衆国憲法に規定されている権力分立の原則に違反していた恐れがあると強く懸念している」と発言。さらに、CIAは連邦法のみならず国内でのスパイ行為を禁じた大統領令にも抵触していた可能性があると指摘した。
ファインスタイン氏によると、かつて論争の的となり現在は廃止されているCIAの尋問方式に関する大規模な報告書をまとめていた同委員会のスタッフが使用したコンピューターをCIAが調べていたという。ファインスタイン氏は「謝罪に加え、CIAが行ったこのコンピューターの捜索が不適切であったことを認めるよう求めたが、どちらも実現していない」と述べた。
これに対し、ジョン・ブレナン(John Brennan)CIA長官はワシントンD.C.(Washington D.C.)で行われたイベントで「これほど真実とかけ離れたことはない」と述べて直ちに疑惑を否定。同長官はまたNBCニュース(NBC News)に対し、「この件には適切な対応が取られているところで、適切な関係部門が調査しており、事実はいずれ明らかになるだろう」と語った。
この疑惑について質問攻めにあったジェイ・カーニー(Jay Carney)米大統領報道官は「調査中の疑惑についてはコメントできない」として明確な説明は避け、本件が第三者のCIA監察総監による調査対象となり、司法省にも通知されていると述べるにとどまった。そして、ホワイトハウス(White House)はファインスタイン上院議員の懸念を非常に重く受け止めている一方で、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領はブレナン氏に絶大な信頼を寄せているとも語った。(c)AFP/Daniel De Luce, Michael Mathes