【3月10日 AFP】マレーシア航空(Malaysia Airlines)MH370便が乗客乗員239人を乗せたまま消息を絶った問題で、中国国営メディアは10日、同航空とマレーシア当局を激しく非難し、より迅速な対応と空港警備の強化を求めた。

 MH370便に乗っていた239人のうち3分の2は中国出身。墜落が確認されれば、中国航空史上2番目の惨事となる。

 中国国営紙・環球時報(Global Times)は、10日の社説で「マレーシア側は責任を逃れることはできない。マレーシアの初動対応は迅速さが足りなかった」と論じた。

 同紙は「マレーシア航空と警備当局の仕事には抜け穴があった」「もし原因が致命的な機械的故障やパイロットの操縦ミスだったとしたら、責任を負うべきはマレーシア航空だ。もしもテロリストによる攻撃だったならば、クアラルンプール(Kuala Lumpur)の空港と機内でのセキュリティー・チェックに疑問の余地がある」と厳しい批判を展開している。

 また、中国国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)の社説は、乗客のうち少なくとも2人が盗まれたパスポート(旅券)を使って搭乗した可能性がある点について、マレーシア側も国際当局もいまだ説明できずにいる状況を指摘。「テロリズム(の可能性)は排除できない」「セキュリティーチェックに厳しすぎる基準などないという全世界に向けた注意喚起とみなすべきだ」と主張した。

 報道によると10日、マレーシアのザヒド・ハミディ(Zahid Hamidi)内務相は、イタリア人とオーストリア人から盗まれたパスポートを使った乗客はアジア人だったとみられると述べている。

 中国では今月1日、雲南(Yunnan)省昆明(Kunming)市内の駅で刃物を持った一団による無差別殺傷事件が起き、29人が死亡、143人が負傷している。中・米両政府はこの事件についてテロ行為だと非難した。中国当局は同国北西部・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の分離独立を目指す勢力による犯行だとし、事件後、警戒を強化している。(c)AFP