【3月8日 AFP】サウジアラビア政府は7日、エジプトのイスラム組織「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」やシリア内戦に参加しているイスラム武装組織を「テロ組織」に指定した。

 テロ組織に指定された武装組織は、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系の「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」、シリアとイラクで戦闘を繰り広げている「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the LevantISIL)」、イエメン北部のイスラム教シーア派反政府組織「Huthis」、スンニ派が多数を占めるサウジアラビアであまり知られていないシーア派組織「王国内のヒズボラ(Hezbollah inside the kingdom)」。

 サウジ内務省はこれらの組織を「財政的、道義的に支援」したり、メディアやソーシャルネットワークでこれらの組織の主張や、これらの組織への共感を表明・拡散したりする者は起訴されると述べた。さらに外国の紛争地域で戦闘に参加したり、そのような戦闘への参加を呼びかけたり扇動したりすることを禁じた。

 またサウジ政府は同日、外国で戦闘に参加しているサウジアラビア人に15日以内に帰国するよう命じ、従わなければ投獄すると発表した。

 今回の動きは、サウジアラビア政府が、軍により昨年7月に解任されたムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)エジプト前大統領の出身母体であるムスリム同胞団への敵視を強めるとともに、シリア内戦に参加したサウジアラビアの過激派が国内の治安に及ぼす悪影響への懸念を強めていることを示している。エジプトは今回のサウジアラビアの決定を歓迎し、他のアラブ諸国に同様の措置を求めた。 (c)AFP/Assad ABBOUD