米軍中佐がセクハラで停職処分、性犯罪担当の検察トップ
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【3月7日 AFP】米軍内部の性犯罪事件を取り扱う軍検察トップが、部下の女性弁護士の体をさわりキスを強要した疑いで職務停止処分を受けた。米軍高官が匿名を条件に7日、明かした。
停職処分となったのはジョセフ・モース(Joseph Morse)中佐で、性的暴行、家庭内暴力、児童虐待事件を取り扱う軍特別検察官の監督役を務めていた人物だ。
軍内部における性的暴行事件の危機的状況に司法制度の徹底的な見直しを求める声を受けて、米軍が対策に取り組むなか、今回の事件は新たな失態を露呈したかたちとなった。
問題となった事件があったのはモース中佐が現在の役職に就く前の2011年。中佐は性的暴行に関する司法会議が開かれたバージニア(Virginia)州アレクサンドリア(Alexandria)のホテルの一室で、女性軍弁護士の意思に反して体をさわりキスを迫ったという。
疑惑を最初に報じたのは米軍の準機関紙「星条旗新聞(Stars and Stripes)」で、その後、米軍高官が匿名を条件にAFPに事実を認めた。モース中佐に対する訴追は見送られた。
中佐はアフガニスタンで2012年、市民16人を殺害したとして起訴された2等軍曹のロバート・ベイルズ(Robert Bales)被告(40)の軍事法廷で検察官を務めている。
報告によると、米軍内部での性犯罪は前年比で60%と急増している。背景には被害者が勇気を出して訴え出る例が増えているためとみている。
国防総省の調べでは、2013年度に報告された米軍内の性的暴行事件は約5400件だった。前年の数字は3374件となっている。(c)AFP/Daniel DE LUCE