食事中のプッシー・ライオット、暴漢集団に襲われる
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【3月7日 AFP】ロシアの女性パンクバンド「プッシー・ライオット(Pussy Riot)」の2人が、バンドのスタッフと食事をしていたマクドナルド(McDonalds)で若者のグループに薬品をかけられるなどして襲われ、やけどと頭にけがをした。
プッシー・ライオットが6日発表したところによると、襲われたのはメンバーのうち、マリア・アリョーヒナ(Maria Alyokhina)さんとナジェージダ・トロコンニコワ(Nadezhda Tolokonnikova)さん。
トロコンニコワさんの夫のピョートル・ベルジロフ(Pyotr Verzilov)さんはAFPに対し、メールで、「徒党を組んだ」若い男の一団に緑色の消毒液や唐辛子スプレーをかけられるなどして襲われたと語った。
バンド側が公表した映像には、ロシアの愛国的なシンボルを身につけた男6人が、ロシアのニジニーノブゴロド(Nizhny Novgorod)のマクドナルドで朝食を食べていたアリョーヒナさんとトロコンニコワさんにひわいな言葉を浴びせ、その行動をビデオ撮影する様子が写っている。男たちの1人が掲げたプラカードには「汚い売春婦、この街から出て行け」と書かれていた。
プッシー・ライオットの弁護士エフゲニー・グービン(Yevgeny Gubin)氏はロシアのインタファクス通信(Interfax)に対し、一団は2人に「金属片も投げ付けた」と語った。
ロシア政府に対する抗議活動を行ってきたプッシー・ライオットのメンバーのうち2人は、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領を批判する楽曲をロシア正教会の聖堂で演奏してフーリガン行為で有罪となり2年間服役していたが、昨年12月に恩赦による釈放後、襲われたのは今回が初めてではない。ソチ冬季五輪開催中にはソチ(Sochi)市内で、コサック(Cossack)から構成されるとみられる治安部隊にむちで打たれたり、窃盗容疑で警官に尋問されたりした場面を撮影した映像をプッシー・ライオットは公開している。
トロコンニコワさんはマイクロブログのツイッター(Twitter)に、6日の襲撃で目や顔、手に薬品によるやけどを負ったとする医師の診断書を掲載した。アリョーヒナさんは、額のけがを縫合する必要があった上、脳振とうも起こしたと述べている。
インタファクス通信によれば現在、警察がこの事件について捜査している。
先週には、2012年のプーチン大統領就任前日に行われた抗議デモで活動家が拘束され投獄されたことに対するデモがモスクワ(Moscow)で行われたが、この際にもプッシー・ライオットのメンバーは拘束されている。(c)AFP