【3月6日 AFP】ロシアのウクライナ介入を受け、米国のチャック・ヘーゲル(Chuck Hagel)米国防長官は5日、同盟国への「支援」を示すため、ポーランドとバルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)との軍事協力を強化すると発表した。

 ポーランドでの航空訓練拡大と、北大西洋条約機構(NATO)がバルト3国上空で実施しているパトロールでの米国の役割を強化する。ウクライナのクリミア(Crimean)半島でのロシアの行動に対する危機感を受け、中東欧の同盟諸国を安心させるための措置であることは明らかだ。

 ヘーゲル長官は米議会で、国防総省が「同盟国を支援する措置」として、ポーランドにおける訓練強化とNATOによるバルト諸国の領空警備団への米軍機の増加などを実施すると述べた。

 AFPの取材に匿名を条件に応えた米国防当局者によると、現在米軍のF16戦闘機4機がパトロールの任務についており、国防総省は機数の追加を検討中だという。

 ポーランド、チェコ共和国、ハンガリー、スロバキアの各首脳は4日の共同声明で、ロシアのウクライナでの行動に「衝撃」を受けており、旧ソ連が冷戦時代にこれらの国で行った弾圧と似ているとの見解を表明していた。(c)AFP/Daniel DE LUCE